●泡盛の歴史
泡盛はシャム国(現在のタイ)の蒸留酒がその根源とされています。14世紀後半ごろ蒸留酒と一緒に伝わったクエン酸が多く、雑菌が混ざりにくい「黒麹菌(くろこうじきん)」のおかげで、琉球王国の泡盛作りはスタートしました。当初は貴族の飲み物として一部の特権階級にしか飲酒は許されていませんでしたが、庶民はこっそり自家製の泡盛を作って飲んでいたようです。
また、泡盛には「古酒(クース」と呼ばれる貯蔵酒がどの家庭にも家宝として存在しました。中には200年を超える「古酒(クース)」も存在しましたが、第二次世界大戦の折、ほとんどが焼失しました。ただし、専門店に行けば10年、20年、30年物の泡盛を味わうことができます。
●黒麹菌(くろこうじきん)
一般的な焼酎に使う麹菌は「白麹」と呼ばれるものですが、年間を通して気温の高い沖縄は腐敗が進みやすいため、「白麹」は焼酎作りに向きません。そのため、クエン酸を多く含み、雑菌が混ざりにくい「黒麹(くろこうじ)」が使われるようになりました。
●原料
泡盛の原料は「米」です。ただし、日本米ではなく、タイ米が使われます。理由としては、琉球王国時代からのタイとの交易の中で、泡盛も当初からタイ米で作られていたということ、タイ米独特のパラパラとした質感と独特の香りが無ければ、泡盛のまろやかな味や香りが表現できないからです。
●古酒(クース)
泡盛は、寝かせば寝かすほど、味や香りがまろやかになり、おいしくなります。
独特の蒸留方法で製造されるため、できたての泡盛は味や香りに刺激があります。そこで、何年も寝かすことで、泡盛を熟成させ、まろやかな味を生み出しています。
古酒(クース)とは、3年以上貯蔵させるか、もしくは、3年以上貯蔵した泡盛が、仕次ぎをしたあとの総量の50%を超えるものをいいます。
●仕次ぎ
仕次ぎとは、泡盛が寝かせば寝かせただけおいしくなるお酒であるため、沖縄の人は伝統的にこの習慣を受け継いでいます。
具体的には、寝かせた古い酒に、少しずつ新しい酒を注ぎ足すことによって、熟成をさらにうながすものです。
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